発見!いわた 「磐田の著名人」

足立 喜六 (あだち きろく)

1871(明治4)年~1949(昭和24)年
土木技術者
数学の専門家。中国の王朝遺跡を実施踏査し、貴重な記録を残した

1871年(明治4)年静岡県豊田郡岡村(現磐田市岡)に二男として生まれた。1898年(明治31)年に東京高等師範学校(現筑波大学)を卒業後、1906年(明治39)年から4年間、中国政府の招きで俠西(せんせい)高等学堂の数学、物理の教師として俠西省西安市(せんせいしょうせいあんし)に滞在した。この滞在時に足立喜六は長安遺跡の実地踏査を敢行し、その記録をまとめあげた。足立は広大な外郭城を有する長安城の史跡を訪ね、自ら測量や写真撮影などをして記帳な資料を集めた。これを総括したのが、『長安史跡の研究』という本で、昭和8年に東洋文庫から発行された。図や見取り図はすべて足立氏が記録し、写真のほとんども持参した暗箱カメラ、ガラスの種板で撮影したものである。広範囲にわたる遺跡の詳細な記録は今なお、長安史研究に欠くことのできない著作になっている。

足立の著作が長安史研究の原点として高い評価を得た理由は自ら見聞・踏査を行い、数学や物理学の知識を駆使して、当時としては珍しい科学的な方法で記録を残した点にある。

諸記録や諸調査と対比して従来の謬説(びゅうせつ)を正し、さらに精査して現状を正しく詳述するよう努めた。『長安史跡の研究』以外にも多くの専門的な学術書を執筆し、その評価は極めて高い。

参考文献

  • 鈴木 直之 「シルクロード研究の先駆者 竜洋町出身の足立喜六翁」
  • 「磐南文化第22号」磐南文化協会 1996年 所収