発見!いわた 「磐田の著名人」

鈴木 書緒 (すずき ふみお)

生年不詳〜1835(天保6)年
国学者
『郷土読本 ふるさと竜洋 改訂版』P241より

豊田郡堀之内村(ほりのうちむら・現磐田市堀之内)生まれ。通称を駒六、半蔵といい、書雄、文緒などとも書いた。

1785(天明5)年11月、大谷村(おおやむら・現浜松市天竜区大谷)の名主で国学者の内山真龍(うちやままたつ)に入門した。その時の入門誓詞が残されている(『竜洋町史 資料編Ⅰ』533ページ)。翌年1月には師の真龍に従い、門人の高林方朗(たかばやしみちあきら)、小国重年(おくにしげとし)、山下政嗣、政定父子とともに出雲に実地踏査に出かけた。出雲から山陰道を通り、長門、長崎、宇佐、小倉を周り、山陽道より帰郷する2ヶ月あまりの旅だった。1788(天明8)年には、本居宣長(もとおりのりなが)に入門し、伊勢松阪の鈴屋(すずのや)に下宿し、学問に励んだ。

真龍の日記によると、真龍とは1808(文化5)年まで交渉があり、方朗とも和歌を詠みあうなど、交流が深い。書緒が生業にいそしむため、学問を中途であきらめたことを、方朗は嘆いたという。

資料が残されていないため、書緒の業績は伝わっていないが、宣長の17年祭の記録である「すずむし」に掲載されているものなど、和歌が数首残されている(『静岡県史 資料編14』620ページ)。

昔おもふ夜はのたもとの露けきに啼音なそへそ庭の鈴虫

伊勢の海や清きなきさに見し月の昔恋しき秋の夜半哉

参考文献

  • 竜洋町史編さん委員会 『竜洋町史 通史編』 磐田市 2009年
  • 竜洋町史編さん委員会 『竜洋町史 資料編Ⅰ』 磐田市 2007年
  • 竜洋町教育委員会 『郷土読本「ふるさと竜洋」改訂版』 竜洋町教育委員会 1995年
  • 静岡新聞社出版局 『静岡県歴史人物事典』 静岡新聞社 1991年
  • 静岡県 『静岡県史 資料編14』 静岡県 1989年
  • 小山正 『高林方朗の研究』 高林方朗顕彰刊行会 1963年