和田 三造 (わだ さんぞう)
1883(明治16)年~1967(昭和42)年
洋画家
1883(明治16)年3月3日、兵庫県朝来郡生野町(あさごぐんいくのちょう・現朝来市生野町)で、四男二女の末子に生まれる。1900年に上京し、白馬会洋画研究所に入り黒田清輝(くろだせいき)に師事する。1904年に東京美術学校西洋画科選科を卒業。
1907年に描かれた「南風」は、第1回文展で受賞した。この作品は2018(平成30)年、国の重要文化財に指定された。1909年に磐田郡見付町(現磐田市見付)出身の男爵・陸軍大将の大久保春野(はるの)の三女英(えい)と結婚し、同年、文部省留学生としてフランスに渡り、1915(大正4)年に帰国する。1921(大正10)年に、今之浦を一望する高台の大久保家別荘に在住し、朝鮮総督府の大壁画「羽衣」の下絵や天皇・皇后両陛下の肖像画の作成にあたった。
1927(昭和2)年、東京に転居。日本標準色協会を創設し、日本標準色カード五百色を制定し公開する。1932年東京美術学校教授に就任し、図案科を担当する。
1938年に色彩研究協議会を設立する。1944年、東京美術学校教授を辞任し、翌年日本色彩研究所を設立。同年新世紀美術協会創設に名誉会員として参加。1958年には、文化功労者に選ばれた。1967年8月22日、84歳で逝去。
参考文献
- 下中 邦彦 『日本人名大事典 現代』 平凡社 1979年
- 磐田史談会『磐田ものがたり』 谷島屋書店 1988年
- 手塚 晃/編 『幕末・明治海外渡航者総覧 第2巻』柏書房 1992年